いつも厳しい指摘をする経理の桐谷さんは、周囲から少し距離を置かれている存在だ。彼女は飲み会にも参加せず、冗談もあまり受け入れないため、社員たちにとってはちょっと近寄りがたい印象がある。特に下ネタを話題にしようものなら、みんな身を引いてしまうほどだ。そんな桐谷さんに密かに惹かれている俺は、なんとか距離を縮められないかと考えていた。偶然を装ってランチの相席を試みようと思っていた矢先、同期の田中が桐谷さんに目を向けているのに気づいた。田中は普段からちょっと無神経なところがあって、給料をほとんど風俗に使ってしまうようなやつだ。性欲が強すぎて、最近は髪の毛も薄くなってきている。そんな田中が勢いで桐谷さんを飲みに誘った時、なんと彼女が行くと言ったのだ。正直驚いた。彼女があの軽薄な男にどうにかされるとは思えないが、万が一のことがあったら心配だ。だから、俺もこっそりついて行くことにした。この機会に、桐谷さんと少しでも近づけるかもしれない。彼女が田中に振り回されないように気をつけながら、どうにかして彼女との距離を縮める方法を見つけたい。彼女の真面目さや、周囲との微妙な距離感がどんなふうに変わっていくのか、少しドキドキしながらその日を待つことにする。果たして、桐谷さんとの関係はどうなるのか、期待と不安が入り混じる。